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第4話 4月3日 湯船の中で零れる本音

Author: ちばぢぃ
last update Huling Na-update: 2025-12-02 20:00:37

学校は今日もあっという間に終わった。

転校してまだ三日目。

クラスメイトはまだ距離を取っているけど、嫌われているわけではない。

ただ、俺たち二人がいつもくっついているのが不思議そうに見えるだけだ。

帰り道、颯音が俺の腕にそっと指を絡めてきた。

颯音「……蓮、今日はちょっと疲れた」

蓮「俺も。なんか、ずっと緊張してる感じ」

颯音「うん……でも、蓮が隣にいてくれて、ほんとに助かってる」

家に着くと、おばあちゃんは畑に出ていた。

玄関に「お風呂もう沸いてるよ。ゆっくり入っておいで」とメモ。

颯音が顔を赤くした。

颯音「……一緒に入る?」

俺も一瞬ドキッとした。

小学生の頃は友達と銭湯とか行ったことあるけど、颯音と二人きりで……しかも今は全然違う気持ちがある。

蓮「……いいよ」

脱衣所で服を脱ぐ手が震えた。

颯音も背中を向けたまま、ゆっくり制服を脱いでいく。

白い肩が少し赤くなってる。

俺は目を逸らしながら、先に浴室に入った。

初めて颯音の体を見たが、こんなにも興奮するとは自分でも思ってなかった。

蓮の大事なところは、反応してしまい一気に固くなってしまった。

あんな可愛い顔してちゃんと付いてるんだ。

蓮の胸は痛くなるほど鼓動が早い。

お湯はちょうどいい温度。

湯気が立ち込めて、視界がぼやける。

颯音が後ろからそっと入ってきた。

颯音「……いい匂いする。おばあちゃん、アロマ入れたのかな」

蓮「うん……ラベンダーっぽい」

颯音が俺の隣に座った。

肩が触れる。

熱いのはお湯だけじゃない。

しばらく無言で湯に浸かっていた。

湯船が狭いから、自然と膝がぶつかる。

颯音が小さく息を吐いた。

颯音「……蓮」

蓮「ん?」

颯音「俺……実は、お風呂ってあんまり好きじゃなかったんだ」

蓮「え、どうして?」

颯音「……昔、パパとママが喧嘩してるとき、俺、お風呂に逃げてたんだ。

ドア閉めて、湯船に顔つけて、音を消してた」

颯音の声が少し震える。

颯音「だから、お風呂に入ると、急に怖くなることがあって……

でも、今日……蓮と一緒だと、全然怖くない」

俺はそっと颯音の肩に手を置いた。

蓮「俺も……実は、お風呂嫌いだった時期あった」

颯音「え?」

蓮「父さんと母さんが喧嘩してるとき、俺、シャワーだけにしてた。

湯船に浸かると、なんか泣きそうになるから」

颯音が俺の手を握った。

お湯の中で、指が絡まる。

颯音「……同じだね、俺たち」

蓮「うん」

颯音「蓮と一緒だと……全部、平気になっちゃう」

颯音が俺の方に体を寄せてきた。

肩から背中へ、ぴったりと。

颯音「……蓮、あったかい」

蓮「颯音も」

湯気が二人を包む。

颯音がぽつりと言った。

颯音「俺……蓮のこと、ほんとに大好きだよ」

蓮「……俺も」

颯音「でも……まだ、ちゃんと伝えてなかったことがあって」

颯音が少し離れて、俺の目を見た。

瞳がお湯で潤んでいて、すごく綺麗だった。

颯音「俺、蓮のこと……友達としてじゃなくて、もっと特別な気持ちで好きなんだ」

胸がドクンと鳴った。

颯音「男の子同士って……変かな?」

蓮「……変じゃないよ」

颯音「でも……クラスの子たちにバレたら、変な目で見られるかなって……怖い」

颯音の目から、ぽろっと涙がこぼれた。

お湯に落ちて、すぐに消えた。

颯音「俺、蓮のこと好きすぎて……どうしたらいいかわからない」

俺は颯音を抱きしめた。

濡れた体がぴったり重なる。

蓮「俺もだよ。颯音のこと考えるだけで、胸が苦しくなるくらい好き」

颯音「……ほんと?」

蓮「うん。ずっと前から」

颯音が俺の首に腕を回してきた。

颯音「じゃあ……俺たち、付き合ってるってこと?」

蓮「……うん」

颯音が泣き笑いみたいな顔をした。

颯音「嬉しい……すごく嬉しい」

颯音が俺の額に、自分の額をくっつけた。

颯音「蓮……大好き」

蓮「俺も……大好き」

颯音が震える唇で、そっと俺の頬にキスした。

初めての、柔らかい感触。

颯音「……ごめん、急に」

蓮「いいよ……俺も、したい」

俺は勇気を出して、颯音の頬にキスを返した。

颯音がびくっと震えて、それからぎゅっと抱きついてきた。

颯音「……蓮のキス、あったかかった」

蓮「颯音のも」

湯船の中で、二人で泣いた。

嬉しくて、恥ずかしくて、幸せで。

颯音「これから……毎日キスしていい?」

蓮「……うん」

颯音「朝起きたときと、お風呂入るときと、寝る前と……」

蓮「いいよ。全部」

颯音が笑った。

涙と湯気で顔がぐちゃぐちゃなのに、世界で一番可愛い笑顔だった。

颯音「蓮……俺、もう離れないから」

蓮「俺も」

颯音「365日じゃ足りない。ずっと一緒にいたい」

蓮「うん。ずっと」

お湯が少し冷めてきた。

でも、離れたくなくて、そのまま何分も抱きしめ合っていた。

颯音「……蓮」

蓮「ん?」

颯音「今日、初めて……恋人って言葉、使った」

蓮「……うん」

颯音「俺たち……恋人だね」

蓮「うん。恋人」

颯音が俺の耳元で囁いた。

颯音「蓮の恋人で……幸せ」

その夜も、布団は一つだった。

お風呂上がりの甘い匂いが残るまま、ぎゅっと抱きしめ合って眠った。

外では波の音。

湯船で零れた本音が、俺たちを新しい絆で結んだ。

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